ポルスカぐらし

ポーランドを好きになるための記録

クラクフ カフェ | エッグタルトと日曜日の罠

 

この週末で会社のアパートを退去して、これから我が家となる新居に住まいを移しました。引っ越し作業や家の掃除で心身ともに憔悴。自炊ができずしばらく外食ばかりだったので胃腸も弱り果てていますが、ようやくひとところに留まってやっていけるので心が休まる思いです。

 

 

 

クラクフの中心部からほど近い場所にあるショッピングモール、Galeria Krakowska。スーパーやアパレルショップ、家電量販店などが併設された大型の商業施設ですが、日曜日はここへ日用品や電化製品を買いに行く予定でした。

新居は家具付きのアパートですが、テレビと掃除機が備え付けでなかったのと、食器やキッチン用品が使い古されたものやあまりに野暮ったいデザインのものばかりで、まるで使い物にならなかったのです。使う見込みのない冴えない食器たちをビニール袋に無造作に詰め、地下室にあるストレージに放り込んで冷たい鉄扉の錠前をおろしました。別に使えるなら何でもいいよと口では言いながら、好みやこだわりを捨て切れない面倒な似た者夫婦です。

 

 

日曜日のスタートダッシュはそもそも失敗で、目を覚ましたのは乗る予定だったバスの時刻を1時間過ぎてからでした。前日にIKEAで買った掛け布団と枕が、思いのほか心地よかったからかもしれません。

 

お昼を過ぎてから気だるげに家を出発し、ごはんを済ませてコーヒー豆を買いにカフェへ向かいました。夫は普段からコーヒーに凝っていて、焙煎したての豆を自宅で挽いてコーヒーを入れるのが好きなので、事前のリサーチで豆を買える店を近所に見つけていたようです。しかし店内に入るとレジは行列で、挙句レジ端末の使い勝手のせいでひとりあたりの接客時間が果てしなく長い。水牛の角のようなデザインのタトゥーを鼻の下にあしらった若い店員はもたつき、家族連れは悠長にメニューを眺め、暖かすぎる店内で私はのぼせそうでした。そして、こぼした水がタイルの溝に沿って広がるように、じわじわと不機嫌になっていく夫。コーヒー豆を買うだけだったのに、20分も待たされてしまいました。

 

そしてこの日の極め付けは、最後にして最大の目的であるGaleria Krakowskaが定休日だったこと。

なぜなら、ポーランドの小売店の日曜日の営業が、法律で制限されているからなんです。法律のことはクラクフに到着して間も無く、夫の会社のポーランド人に教えてもらって把握していたはずでした。ですが、去年までは第1日曜と最終日曜のみ営業可能だったのが、今年からは最終日曜のみ営業可能に変わっていたようで。何も知らなかった私たちはシャッター街と化したモール内をてんやわんやしながら彷徨い歩いて、結局トイレで用を足すのみで帰りのバスに乗る羽目になりました。ちなみこの法律は段階的に施行しており、最終的に日曜営業が原則禁止になるのだとか。

 

 

 

 

無駄足という言葉を見事に体現してみせた日。あまりにも不幸な自分のご機嫌取りのために、おやつを買って帰ることにしました。

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クラクフの中央広場からも徒歩圏内です。

ハンドメイドの暖かいエッグタルトが甘さ控えめでめちゃくちゃお気に入りです。外側のパイ生地もさくさくで美味しい。1個5ズロチ(約150円)でこのサイズにしては少し割高なのかもしれませんが・・・。

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オープンの文字がエッグタルトで可愛いです。

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予期せぬ出来事でささくれまくった心を、淹れたてのコーヒーとエッグタルトで回復させることができました。

終わりよければすべてよしということで。