ポンチュキ | 噂の”脂の木曜日”
ポーランドの不思議な慣習、ポンチュキをたらふく食べる日。それが「Tłusty Czwartek =脂の木曜日」です。
ポンチュキとはポーランドの伝統的なドーナッツのことで、生地の中にジャムやカスタードなどが入っている、ふわっと軽くて甘いお菓子。かの有名なミスタードーナツの定番商品、エンゼルクリームやカスタードクリームに似たような揚げ菓子です。
この「脂の木曜日」は、そもそもキリスト教のカトリックにおける復活祭(イースター)の節食に由来しています。
復活祭は、十字架に磔にされたイエス・キリストの復活を記念する、キリスト教徒にとって非常に重要な祝日です。そして復活祭前の準備期間を四旬節と呼び、古くから信者たちはこの期間を通して節制と回心に努め、悔い改めを行います。期間中は贅沢な食事を摂ることが控えられており、40日間にも及ぶ四旬節に備えて食べ納めをしようという日がまさに今日、脂の木曜日。
現在では徹底的な節食の習慣も廃れつつあるそうですが、年に一度の行事としてポンチュキを大量に食べることが今やイベントとして楽しまれている、とのこと。
語学学校からの帰り道、実際ポンチュキの入ったビニール袋をぷらぷら下げながら歩いている人を何人か見かけました。そして、こういうイベントには是非とも全乗っかりしたい私は、道中に有名なポンチュキ屋さんがあったことを思い出して、足を運んでみました。
そしてびっくり、クラクフでこんな行列今まで見たことがありません。(そもそも行列すら見たことがないです。)
恐るべし、脂の木曜日。
1時間以上並びそうな様子だったので、断念して近くのパン屋さんで購入しました。
そして、念願の。
手前右側の白い方は、薔薇のジャムが入った最もスタンダードな味。左奥の方はとろとろのカスタードが入っていて、こっちの味は初めて食べたんですがかなり美味しかったです。
量り売りで、この2点を購入して2.8ズロチ(約84円)でした。脂の木曜日限定特価で売っているお店もあるそうなので、もっと安く買える可能性も。いずれにせよ安いです。
ちなみに夫の会社のキッチンにも、大量のポンチュキが置かれていて食べ放題だったそうです。
日本にはない、その国ならではの行事に自分なりに参加してみることで、その背景を勉強するきっかけにもなるし、自分はここで暮らしているんだという実感も得られるのはとても良いことだなと思います。